たったひとりの王子様 [完]



あたしは、目をそらして



「う、うん」



と答えた。


すると金井くんは、にこっと笑って、



「おめでとう」



と言ってくれた。




あたし、サイテーだ。


背中を押してくれた人を、怖いなんて思った。



「…ありがとう!

金井くんのおかげだよ。背中をおし…」



あたしの言葉は、金井くんの言葉で遮られた。




< 208 / 268 >

この作品をシェア

pagetop