たったひとりの王子様 [完]



「明美っ」



次の日の朝。



柚香の声が、玄関からした。



制服姿の柚香が、あたしの部屋を見ながら叫んでた。



「迎えにきた!」



きっと…あたしが行かない、って思ったんだな。



いくよ、柚香。



ちょっと待ってて。



あたしも叫んで、部屋から飛び出した。




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