たったひとりの王子様 [完]
「は!?」
女子たちの、威嚇するような声。
「なにがあったか知らないけど。
あたしは明美を一人にはしないから」
柚香はあたしの手をひいて、自分の席に座った。
あたしも自分の席に座って、カバンを置く。
「金井のしわざね…」
小さく聞こえた柚香の声。
二人で金井くんの顔を見たら、勝ち誇った顔。
「由宇くんは…」
由宇は、いつもと同じように男子といる。
よかった、由宇は無事で…。