たったひとりの王子様 [完]



目をまっすぐ見ないで、小さく聞いた。



「…悪い」



返ってきたのは、小さな声。


びっくりして、変な声がでた。



「駅で…会ったろ?

俺…あの時に、もうムリだった」



由宇は、あたしを必要としてくれてるの?


やっと、由宇の目を見れた。


同時に、抱きしめられる。



「俺、金井から守ろうとしたのに…。全然守れてねえよ」




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