たったひとりの王子様 [完]



「悔しかったけど…泣かなかったんでしょ。金井くん、強ようだもん。

でも、ホントは弱かったんだよ。誰かの心の中にいたかったんだよ。泣きたかったんだよ」



それをガマンしてたから、悪い方向に思考がむいた。


あたしは、にこっと笑って伝える。



「……っ」



金井くんは、声もあげずに

静かに泣いた……。




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