たったひとりの王子様 [完]


あー、もうっ。


リボンを作ろうとすると片方のわっかがはずれる。


ふたつわっかを作って結ぼうとしても、指にひっかかって結べない。


ただリボン作るだけなのに…。


情けなくなってきた…。


リボンに向けて火花を散らしていたら、どっかから溜め息が聞こえた。


ココにいるのは、由宇だけ。


ため息はこいつ、 絶対!


あたしのほうが溜め息つきたいのに。


泣きたいのにッ。



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