たったひとりの王子様 [完]



―とん、とん、とん―



包丁でリズムよく野菜を切る音。


その指とか、手に、視線がいく…。



綺麗な、指、だよなぁ。


長いし、細いし。


うらやましい、な…。


























「そういえば明美さ。さっき、すげぇ顔赤かったけど…。

好きなヤツとか、いない、の?」




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