たったひとりの王子様 [完]



…え?


由宇の顔を見る。


心が、きゅうっとしめつけられた感じが、

した。



なんで、そんなこと、聞く、の?


聞かない、で…。



「いない、よ。好き、ってどんなだか、分かんないもん…」



言わないで、明美。


口にだしちゃ、だめ…。


でも…心のコントロールが…きか、ない…。



「由宇は…いる、の?」






「いる、よ」




< 36 / 268 >

この作品をシェア

pagetop