たったひとりの王子様 [完]
野菜サラダとシチュー
ジャマ者
二人とも、黙ったまま食事を食べる。
さっきまで、ちょっと楽しかったのに、な。
「悪ぃ。なんか、調子のった」
由宇が食べる手をとめて、あたしを見る。
「…ほんと、だよ。言わないでほしかった。
由宇なら分かってる、って思ってたけど…。違った、んだね」
どんどん声が小さくなっていく、あたし。
あれ、変だな。
こんなこと、言うはずじゃなかったのに。
スナオに、許すはずだったのに。