小春日和
始まりは突然に
-春-
私、桜庭日和はこの季節が大好きだった。
今ももちろん好きだけど、以前の「好き」には戻れない
今日から高校1年生。
中2の時から、頑張って勉強してどうにか入れた。
この高校は私にとって約束の高校。
だからどうしても入りたかった。
電車に身を委ね、揺られること20分。
アナウンスが私の降りる駅を伝え、降りるように促す。
駅に着き、学校までゆっくり歩いた。
桜が有名なこの地域では、並木道がピンク色に染まっている。
前の私だったらきっと足を止めて見ていただろうな…
そんなことを考えているうちに、学校に着いた。
人だかりのできているクラス表の前に行き、自分の名前を探した。
「えっと… あ!あった」
2組みたい。
私は学校の玄関に向かった。