小春日和
どうしていつも教室に入るときに緊張するんだろう…
私は胸の高鳴りを感じながら、意を決して扉を開けた。
まだ早い時間だったからか4・5人しかいなく、少し安心した。
私の席は窓際から2列目の1番後ろだった。
自分の席に座り、外を見た。
窓からは並木道が綺麗に見える。
改めて見ると、やっぱり見とれてしまう。
幸輝と一緒だったら…
そんなことを考えてる自分が嫌になる。
いつからボーっとしていたのかは分からないけど、気付いたら席がほぼ埋まっていた。
それに気付くと同時に前の席の子が、後ろを振り向いた。
「ウチ、佐藤京香!よろしくね」
ニコっとした笑顔で言ってくれた。
「わ、私は桜庭日和です。よろしくね」
「なーに緊張してんの。メアド交換しよ!」
「うん!」
私は中学のとこから2時間くらい離れた高校を志望したため、知っている人が1人もいない。
だから京香が声を掛けてくれてほんとに嬉しかった。