続②・絶対温度-私の定義-

「いいわよ、別に」

「俺はよくない」

「それは我が儘っていうの、知ってる?」

「上等だな?自分の仕事に我が儘ひとつ通せねーでどうする」

「意味が違うわよ、馬鹿」

「意味のある我が儘はいーんだよ、阿呆」

短絡的なのか、こいつは。話にならん。


「少なくともあたしは、仕事に妥協するのは嫌だわ」


そんな威圧感たっぷりなオーラを存分に発揮しながら、それでも関谷はあたしを見つめてそういうと、フゥと力を抜く。ああ、駄目だ。最近知った。あたしは関谷のこの顔に弱い。



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