続②・絶対温度-私の定義-
■■■

セキュリティの甘い築15年鉄筋コンクリート五階建てのマンション。間取りは2DKで一人暮らしには上等。

3階の角部屋に住むあたしは毎度、足腰にガタを感じながら階段を走る。食材を買い込んだエコバッグが重い。

肌を刺す冷たい空気に、白い息が浮いては消えを蒸気機関車のように繰り返している。


くそぅ。あの俺様男。禿げろ。いや、禿げては欲しくない。


あたしは見慣れた部屋について、何の心構えも出来ていない自分の部屋に急遽こうなった経緯を思い出した。


< 20 / 35 >

この作品をシェア

pagetop