続②・絶対温度-私の定義-

「…カレー出来てるから」

力の抜けた腕の中からソロソロと抜ければ、関谷の切れ長の瞳と視線がぶつかる。

「腹減った」

「分かったから」

「キスしていい?」

「へ?」


リアクションをとるまでもなく塞がれた唇。


「…っん」



深く、執拗に絡む舌が、ぞくりと背中に刺激を与えて、それでも足りないとあたしに果てしなく甘いキスを落とす。



息が、出来なくて、


力が抜ける、


だから、もう、



「せ、…せきっ」


力の入らない腕でやっと関谷の胸を押した。


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