続②・絶対温度-私の定義-
関谷の熱の篭った瞳が、理解出来ない程艶やかで、クラクラする。
もう、無駄な色気振り撒かないでよ、
あたしは精一杯関谷を睨む。
「紗織、」
「…なによ」
「おまえが乱れるとこが好き」
「なっ」
「それ」
ククと笑う関谷。
からかわれたのか、何なのか。馬鹿関谷!
「変態」
「かもな」
片目だけ細まる凶器みたいに綺麗な瞳、上がる口元に、何を言っても無駄だ、と理解したあたしは関谷の腕から離れて、赤い顔を見せないように、「早く上がれば」と言って背中を向けた。