続②・絶対温度-私の定義-
「……寝てるじゃないの」
閉じられた瞼で睫毛の長さにため息が落ちそうになる。結ばれた薄い唇からは寝息さえ聞こえない。上品な寝方だわね。
思わず、生きてるのか胸に手をあてて確かめてしまう位、綺麗な寝顔だった。
「…お疲れ、関谷」
メリークリスマス。
小さく呟いてそっと黒髪を撫でる。
明日は休日。このままただゆっくり、あんたと時間を過ごすのもいいかもしれない、だなんて。
苦笑を漏らせば関谷が僅かに体を動かせた。
to be continued...