彼の二番目。
「好き」
長年の思いを君に伝えた。
『ゴメン』
なんて返事、最初から言われるの覚悟して伝えた。
だって君には彼女がいるから。
私の入る隙間なんて無いの分かってる。
だからさ、黙ってないで早く『ゴメン』って言ってよ。
『お前とは付き合えない』
って言ってよ。
そしたら私はキッパリ諦めるよ。
…いや、無理かもしれないけど。
でも、もう“好き”なんて言ったりしないから。
早く返事をちょうだい。
こっちだって逃げたい気持ちは山々なんだから。
だから、早く、
『ゴメン』って…。
「分かった」
ほら、フラれた。
………え?
私は、目の前にいる君の顔を眺めた。
いつ見ても調った顔立ち。
綺麗な肌に、整った眉、男らしさもあるけどパッチリとした目、長い睫毛、高く通った鼻、一度は触れてみたいと何度も思った形のいい唇、ピアスの穴が一つ開いている形のいい耳。
いつもの顔を何一つ変えずに君は私を真っ直ぐ見つめる。
少し、照れも感じたが驚きのほうが大きい。
だって、圭が…、
『分かった』
って言った??
「………圭?」
やっと開いた口。
驚きが隠せない。
そんな私を見て、少し溜め息をつく圭。
「だから、分かったって言ってんじゃん」
単調な口調で再び“分かった”と言う圭。
聞き間違えではなさそう。
…だとしたら何で?
「もう、いいだろ?じゃあ」
と言って、この場から立ち去ろうとする圭の腕を思わず掴み引き止めてしまった。
「何?」
冷たい目、冷たい声。
だけど、暖かい腕。
どうしよう、どうしよう。
頭の中が混乱する。
驚き、嬉しさ、戸惑い、照れ、色々な感情が頭の中でゴチャゴチャに混ざりついには真っ白になった。
「ねえ、話して」
と言う圭の言葉に我に帰った。
どうしよう、どうしよう。
…だけど、ちゃんと聞かないと。
「分かった、ってどういうこと」
どういうこと?
ねえ、圭。
答えて。
縋るような瞳で圭を見れば、また圭の溜め息が聞こえた。
「そのままんまじゃん。いいよ、付き合おうって意味。ここまで言わないと分かんない??」
変わらず冷たい目で私を見つめる圭にめげそうになる。
…だけど。