黄昏の館
1
朝起きて、まず始めにすることは、歯みがき。これをしないと頭が……、なんていうか、醒めないの。すっきりしたところで、リビングのテーブルに置かれた新聞を掴んで、トイレに向かう。5分くらいは座りながら記事に目を通す、んだけど。
「ちょっと、イヅミ?」
「…………」
「あんたまた持ち込んだわね?ちょっと、聞いてる?!」
「…………」
あたしは方耳に指を突っ込んで目だけを走らせる。政治家の脱税に、外国でのデモ、……特に気になるトピックスは見当たらない。
「出てきなさいって、はやく!カナメが漏らしちゃうでしょ!」
「……朝から元気だなぁ」
皮肉ったらしく私がドアを開けると同時に、カナメがするりとトイレに入り、ガチャンと錠を落とす。あぁ、私の安住の地が……。
「ちょっと、イヅミ?」
「…………」
「あんたまた持ち込んだわね?ちょっと、聞いてる?!」
「…………」
あたしは方耳に指を突っ込んで目だけを走らせる。政治家の脱税に、外国でのデモ、……特に気になるトピックスは見当たらない。
「出てきなさいって、はやく!カナメが漏らしちゃうでしょ!」
「……朝から元気だなぁ」
皮肉ったらしく私がドアを開けると同時に、カナメがするりとトイレに入り、ガチャンと錠を落とす。あぁ、私の安住の地が……。