カラフル
「倉田っ頼む!」
「はい?」
「水木に勉強教えてやってくれ!」
職員室で担任が私にパンっと両手を合わせる
「…意味がわかりません」
「いやぁ…あのな、水木の前の学校とうちの学校の授業の進みが違うらしくてよ。
だからその遅れた分を水木に教えてやってほしいんだ」
「っていうか…おじちゃんがすればいいと思うんだけど」
「お、おい…学校じゃ先生って呼べって言ってるだろっ」
私の担任はお母さんの弟。私にとって叔父にあたる。
この中学にいることは知ってたけど、まさか担任になるとは…
「俺は数学専門だろ?数学しか教えられないんだ。
お前らは全部授業受けてるわけだからさ」
(はぁ…なにそれ。めんどくさいだけじゃん)
「なんで私?…ちゃんと教えられる人いるでしょ?」