出席番号1番
私、相藤紗良は東京大学の理科三類の大学受験を志望している。
理由?東京大学における社会的評価が非常に高いから。
学生である時期より働く時期の方がはるかに長い。それを考えたらより良い会社に入ることを望むくらい当たり前のことだと私は思う。
その為には学歴が必要。今は就職に学歴なんて関係ないなんて言われるけど「東京大学」において就職先に困るなんてあり得ないと思ってもいい。
それだけ東京大学のブランドは高いのだ。
もちろん東大ならどの学部でもいいわけじゃなく、日本で一番偏差値が高く入試が難しい理科三類の受験を希望している。
プライドがあるのだ。
誰よりも、何よりも高く存在する。その為に勉強する。
学生時代は遊べばいい楽しければいいなんて考えは将来、金銭面で困ることくらい目に見えている。
別にまったく遊んでないわけじゃない。勉強しか考えてないわけじゃない。
髪の毛が痛んでたら気になるし、肌が荒れてたら不安になる。女を捨てているわけじゃない。
でも、勉強が第一。
「相藤、さっきの奴何だったんだ?」
「さあ」
赤沢くんは怪訝そうに言った。
「1組って言ってたな。所詮は馬鹿クラスか」
1組を見下しように言う彼。
でも私も同じようなものだ。
馬鹿なことをやるのがかっこいいと勘違いしている、本物の馬鹿。
救いようがない。
「今後関わることなんてないでしょ」
「そうだな」
そう言って赤沢くんと別れて教室に入った。