出席番号1番
日常
【思い出話】(紗良視線)
「お前、俺の第一印象どうだった?」
「最悪だった」
「ギャッハッハハ!だろうな~」
最初の出会いから1年経った今、瑛斗と私はよく一緒に居るようになった。
何故かって言われたらよくわからない。
相変わらず瑛斗の馬鹿さは変わらない。
「瑛斗は?私の印象」
「秀外恵中」
自信たっぷりに言う瑛斗。
「ちょ、俺すごくね秀外恵中とか言葉使っちゃった」
「・・・・・そーね」
秀外恵中なんて言葉、たしかに瑛斗が知ってるわけないとは思うけど、それを使ってテンションを上げている馬鹿も大概ね。
「俺、第一印象変わってねーよ」
「私も変わってないけど」
「うそ!まじ!?」
「相変わらず、馬鹿だと思ってるから」
「それ誉めことば!」
「あっそ」
そしてまた参考書に目を移した。
「相藤」
「赤沢くん」
図書室に行ったら赤沢くんに会った。
「昨日、相藤瑛斗に会ってさ」
「瑛斗?」
「頭がよくて顔も綺麗って感じの四字熟語教えてくれって言われて」
「・・・・・・なるほど。」
秀外恵中は赤沢くん情報ね。
聞いて早くその単語を使いたくて使いたくて仕方なかったんだろうな。
昨日から今日の会話を頭の中でシミュレーションしている瑛斗を思い浮かべる。
しかも秀外恵中って中々思えやれないから何度も言い繰り返していたんだろう。
「あはははっ」
「・・・・相藤?」
やっぱり馬鹿。
なんてかわいい馬鹿なんだろう。