出席番号1番

【敵わない】(瑛斗視線)


いつも参考書を持ってる紗良。
やっぱり鬼才。
体力馬鹿にはマネできない。マジで。
俺参考書とか1冊も持ってねえのに。

でも
何をしても
何を言っても
紗良はすべて答えてくれる。

そんな紗良が好きで、ちょっと困らせてやろうかなーなんて思っても紗良にはかなわない。

だって俺馬鹿だし。


考え方とか全く違う。
意気投合したことなんてない。
全てにおいて(あ、運動面は別だけど)俺の上に行く紗良。



「なんで俺ら仲いいんだろうな!」

「・・・・・・・」

「紗良?」

「・・・・仲、よかったの?私たち」

「ガーンッッッ」


いやいやいやいや
嘘だろ!
仲いいだろ俺ら!

・・・・・俺だけ?思ってたの俺だけ?


紗良は頭を抱える俺を小さく笑いながら、



「・・・・・嘘よ」

と言った。


俺の馬鹿さ全てを包んでくれるような、笑顔。
それ反則じゃね?


ああ、敵わないなあ



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