出席番号1番


【無人島】(瑛斗視線)



「紗良、ちょっとクイズな」

「何?」


解けないクイズなんてあるわけがない。
みたいな感じで俺に目を向ける。
あ、ごめんそんな大層なクイズじゃない。




「無人島に3つ持っていけるとしたら何を持っていきますか」

「・・・・・・・何のクイズ?」

「いや、ごめんクイズってか質問?」



「で、何持ってく?」

「参考書」

「また参考書かよ!」


なんか入学式思いだす。
紗良、式の最中も参考書読んでた!

校長の話がつまんなくて紗良を見たら参考書読んでて「どんだけ参考書読むんだよマジで!」と心の中で叫んでた。
そしてそんな鬼才に少し笑えてきて必死に笑いをこらえてたらクラスメートの奴に変な目で見られたしな。


「と、ヘリとヘリの操縦士」

「・・・・・・・超帰る気満々ですね、紗良さん」

「何もない島に半日以上は滞在しないから」



うん、さすが鬼才。

紗良が言うから妙に納得する。



「瑛斗は?」

「え?」

「だから、瑛斗は何を持っていくの?」

「バスケットボールと、食い物と・・・」

「・・・・ボールって」

「あとは紗良。」

「は?」

「紗良がいれば確実に帰れるし、何より絶対退屈しないしな!」

「・・・・・馬鹿の考えね」



紗良は呆れた顔をして俺を見て、すぐ目を反らした。

参考書を見つめるその表情が、少し照れてるように見えたのは・・・

俺だけ?



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