出席番号1番
【模試1】(紗良視線)
「もうすぐ全国模試だなー」
「そうね」
だからと言って何という話じゃない。
模試がある。
それならその日に模試を受ければいいだけの話。
「模試って勉強法わかんなくね?」
「別に?」
「ごめん、鬼才に言った俺が馬鹿だった」
「今更」
瑛斗が馬鹿だなんて分かりきったこと。
今更確認することでもない。
「模試ってどうやって点取るの?」
「勉強するしかないに決まってるでしょ」
「・・・・・・どうやって」
「日ごろからコツコツと」
「いや・・・無理」
「でしょうね」
「そもそも、模試なんて点取りに行くものじゃないのよ」
「え?」
「自分の実力を知るためのもの。出来ない問題をはっきりするために模試を行うんだから勉強して模試に臨むんじゃなくて日ごろの成果を見るの。偏差値なんて簡単に上がるわけないでしょ」
「なるほど」
「対策と言ったら学校で配られた過去問をやるくらいじゃない?」
「・・・・・え?」
「え?」
「過去問なんて配られたことないんだけど」
「・・・・・・」
大方、体力馬鹿はどうせ過去問なんてやらないと学校側は判断したのね。
間違ってないと思う。
「まあ、配られてもやんねーけど」
ほらね。