Moon☆Letter
我を忘れて慌てる、私とは違い冷静な柚が…


「エッ、エレベーター止まってる…」


「へっ…?止まってる?」


私は、もぅ何が何だか分かっていなかった。



非常ボタンを押す柚。

「すみません…誰か聞こえますか??エレベーター止まったんですけど…」


必死に助けを呼んでいる柚。


今だに慌ててパニクる私。


「どうなってるの??ねぇ柚。。柚ってば…」


「…んだよ。聞こえてるよ。みのり!!今、助けを呼んでるんだから、ちょっとは大人しくしろよ!!」



「だって訳わかんないし…!!恐いじゃん…」



「…ったく、しょうがないなぁ。いつもは男みたいなくせに、こういう時は女の子みたいだよな…」


「…うっ、うるさいなぁ。私は女なんです!!恐いに決まってるでしょ」


不安でたまらない私は少しケンカ腰になっていた。


けど止まったエレベーターには柚と私の二人だけ…
今にも、ドキドキする私の、胸の音がエレベーターに響き渡りそうだった。


その時、柚はいきなり私の手を握ってきたのだ。
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