Moon☆Letter

二人の距離

私は繋いだ手を、振り払いたかったけど…


何故か振り払えなかった。

だって…手を繋いだのは何年ぶりだろう??
小学生の時以来?


どんな状況だろうと、やっぱり好きな人に手を握られると嬉しい。


振り払うなんて、もったいない事は出来ない。



「…そういえば昔はよく、一緒に学校に行ったよなぁ〜」


「そうだね…でも昔っていう程、昔じゃないよ♪
一年くらい前まで、一緒に登校したし…」


何気ない会話を続ける私と柚。


ただ繋いだ手が熱い…
全身の血と神経が一点に集中している。


このまま時間が止まればいいのに…
それが今の私の本音かもしれない。


「そうだ…柚は亜弓のどこが好きなの??」


私が急に変な質問をしたからか、柚は焦りながら私に言った。


「急になんだよ。そんな事聞いてどうすんの??」


確かに、その通り!!今更そんな事聞いてどうなる訳??
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