Moon☆Letter
「…なんとなく。。」

私は俯きながら答えた。


「なんだそれ…!!変な奴。」



気まずい空気がエレベーターに流れる。

何か話さなきゃ!!と思えば思う程、何も浮かんで来ない。



そんな空気を助けてくれたのはエレベーターだった。


−ウィィーン……−



止まっていたエレベーターが動きだしたのだ。


「…動いてる?よかったぁ!!柚、動いてるよ」


「…あぁ、本当だ。動きだしたなぁ。けど俺ら遅刻だなぁ…」


…−ウソッ!!


腕時計を見ると!本当だ…完全に遅刻みたい。



「みのり…どうせ遅刻だしさぁ。ゆっくり学校に行こう!慌てて行っても同じだしさぁ!!」


「うん♪そうだね…」


その言葉にドキドキしながらも、嬉しすぎて顔がニヤケていた。


繋いでいた手は離しちゃったけど、並んで歩いている柚との距離は昔に戻った気がした。
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