ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「コウさんは、私が目標とする社会人です。

私もいつか、こんな風になりたいなって思っています」


「それだけ?」


「……いいえ」


「聞きたい」


この4ヶ月間、ずっと気にしていたことを伝えようと、頭の中で言葉を整理する。

でも、出てきた言葉は。


「わからないんです。

わからないままこんな状況になって、だからせめてコウさんへのご迷惑を最小限にしたいなって……。

まだ、コウさんのことが何もわからなくて。

後からまた辛くなるのは、もう嫌なんです」


コウさんとパーサーの二面性に翻弄されて、それでも嫌いにはなれなくて。

どうにかして、この人から認められたいって思った。


自分の目標を実現させるため、というより、むしろ……。

私自身を認めて欲しいっていう気持ちが強くなっていた。


でも、好きになるのはまだ早いと思った。

相手のこともよく知らないうちに好きになった時のことを、後悔したばかりだもの。


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