ハッピー・クルージング～海でみつけた、愛のかけら～

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結局、寝室の掃除機はコウさんがかけた。

私には「コーヒー、淹れてくれると嬉しいな」と言って。


これは……先生と菫の結婚式の引出物、スタバのコーヒーだよね？


我が家ではとっくに飲み終わっていたけれど、普段家にいることが少ないコウさんのところには、まだ残っていたんだ。


また、思い出しちゃった。

ため息をつきながら、ＩＨのスイッチを入れた。


この時間だけど、飲まないんだ。

陸に上がったコウさんは、コーヒーよりアルコールっていうイメージなのに。


もしかしたら、私が転がり込んじゃったから、飲まないのかな？

せっかくのオフなのに、私がいるせいで色々気を遣わせちゃって、本当に申し訳ない気持ちでしゅんとなる。


掃除機の音が止まった。

コウさんが戻ってくる。

トレーを出して、２人分のコーヒーをリビングに運んだ。