ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
「先にシャワー使いながら、風呂場の掃除もしてくるよ。
裕香ちゃんは着替え、持って来てるんだよな?」
「はい、下船した時の荷物を、そのまま持って来ていますから」
「じゃあ、タオルとシーツ出しておくから、自分でベッドメイクしておいて」
「え?」
「だから、半月ほったらかしの、他人のベッドに寝るのは嫌だろ。
俺はソファでいいからさ」
「ダメですって! 私がソファで寝ますよ!
私の方がちっちゃいし、それに無理やり転がり込んじゃったんですから」
「俺に譲るの? それは有難いなあ。
だとしたら、裕香ちゃんを無理やりベッドに引きずり込むけど?」
な、な、なんですって!!
これがあの、セクハラになりそうな行為を最大限用心していたパーサーと、同一人物!?
「わかりましたっ! ベッド使わせて頂きます!!」
こうして、油断ならない相手との同居生活が始まった。