ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
「婚姻歴はない。
今は彼女もいない。
……それなりに遊んでたけど、ね。
君との血の繋がりは、俺が知る限りない。
ついでに病歴もない。
借金もない。
親や血縁のしがらみもない。
これが俺の全て。
ここから先は、君が答えを出して欲しい。
……せっかく作ってくれたパスタ、早く食べないと冷めるぞ」
パスタなんて、今はどうでもいいのに。
コウさんが、さも当たり前というように、片手にお皿を2枚のせて、テーブルへ運んでいった。
その姿は、やっぱり何かを隠そうとして私に背中を向けているように思えた。
「つまり、私がコウさんを好きになったと仮定して、迷惑をかける相手は、今の所いないということですね?」