ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「もしかしたら、バレてたのか?」


やっぱり、コウさんは知っていてあんなことをしたの!?


「あれから、調べました。

ヤドリギの下で出会ったら、キスをする。

女の子は拒否できない……ところまでは、だいたいどの言い伝えも一緒でした。

でも、キスしたら幸せが来るのは『私に』ではなく『カップルに』っていうのが一般的なんですね。

つまり、私とコウさん、ふたり一緒じゃないと幸せになれないっていうことに……」


「そう。一緒だったら幸せになれる、だろ?」


澄ました顔で答えるコウさんは、ずるい大人だ。

ずるいから……肝心な事を言ってくれない。


「一緒にいるための、大事な言葉を、まだ聞いていません」


そう言ってちょっと睨んだら、ふわりと笑ってコウさんが立ち上がった。

手を軽くひかれて、私も立ち上がる。


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