ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~


大きな体にすっぽりと包まれて、固まる私。


「そういう謙虚なところ。

だけど、芯はしっかりしていて、揺るぎない自分をもってるところ。

最善の方法を見つけようと、必死に頑張ってるところ。

素直で一途なところ。

……独り占めしたくなった」


抱き締められた腕に、しっかりと力が入る。



「俺、寂しがりだから。

もう、絶対離さない。

一生、大切にする」


胸がいっぱいで、言葉にならなかった。

何度も頷いて、気持ちを伝える。


すると、とても小さな、掠れた声で囁かれた。


「幸せにするから……俺より先に逝くなよ、絶対に」


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