ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
ずっと、家族が欲しかったはずのコウさん。

新しい家族と、くつろげる家庭を一緒に作り上げることができるといいな。


「いいですよ……」



返事をしてから、赤面した。

だって、子どもを授かるっていうことは、つまり、そういうことな訳で。


しかもこのシチュエーション。

コウさんが、嬉しそうに頷いた。


「安心していい。

それはもう少し先の話。

順番は、守ろう」


順番は守るっていうことは、まだ、いいのかな?


ほっとして、体の力が抜けた。

そんな私の顔を見て、いたずらっぽく笑って言われたのは……。


「まずは『家族を作るため』じゃなくて『身も心もひとつになりたい』から」


「……え?」


そ、そっちの順番!?


「この俺が二晩も、何もしないで我慢してたって、忘れた訳じゃないよな?」

< 259 / 332 >

この作品をシェア

pagetop