ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「私も、似たようなことを考えていましたよ」


照れながらそう打ち明けたら。


「じゃあ、今も同じ気持ちだろうか?」


私が持っていたワイングラスを取り上げられた。

そのまま、立ち上がったコウさんは、あの夜と同じように、いきなり私を肩に担いだ。


「何で担ぐんですか!?」


「船乗りだから」


「関係ないと思います!!

まだ食器も片付けてないのに!」


焦ってバタバタする私を連れ去る場所は、やっぱり寝室で。


「まだ食器も片付けてないのに……に続く言葉は?」


「恥ずかしくて言えません!」


「じゃあ、俺が言う。

早く裕香に好きだって伝えたい。

心も、身体も、全部」


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