ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
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夜、東京に着岸した船は、お客様が降りてすぐ、次の航海に備える。
清掃業者が入り、荷物が積まれるほんの3時間ちょっとだけ、私達に上陸許可が与えられた。
自宅に帰っても、往復するだけで終わってしまう。
「まどかは陸に上がるの?」
「うん、家で録画したブルーレイ取りに行こうかなって。
ちょっと働く気力を補充しなきゃね!」
まどかは某男性アイドルのファンで、彼が出ている番組を欠かさずチェックしているらしい。
「そっか。私はどうしようかな」
このまま自分の部屋に残っているのはもったいない気がした。
せっかくの『揺れないところ』へ行けるチャンスだから。
……結局、埠頭近くのお台場あたりで時間をつぶそうと考えた。
陸に上がる前は必ずパーサーへ報告することになっていると聞き、私とまどかは事務室へ向かった。