ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
「……佐伯は自宅、岩谷はお台場で買い物だったな。
9時までに戻ってくること」
「「はい」」
パーサーが休暇処理簿を見ながら判子を押してくれた。
「くれぐれも、気をつけて」
私服に着替えた私とまどかを、事務室から見送ってくれた。
パーサーは、まだお仕事なのかな?
これから乗船されるお客様の打ち合わせとか、売店の品物の補充……今しかできない仕事も沢山あるらしいということが解った。
お疲れ様です、という気持ちをこめて会釈した。
まどかと一緒にゆりかもめに乗り、途中で別れる。
ここで晩御飯と軽くお買い物を済ませる予定だった。
まずは、お買い物。
毎回酔い止めの薬をもらう訳にはいかないので、ドラッグストアで自分用のものを購入。
酔い止めバンドも一緒に買っておいて、と。
お菓子と雑誌も買ったし、あとは食事。
……ここで一人で食べるのも寂しいから、何か買って船に戻ろうかな。
できるだけ、時間に余裕を持って行動したかったから。
パーサーが残っているのに、自分だけ遊んでいるのも気になった。