ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「只今戻りました」


買い物袋を手に、事務室へ報告に行くと。


「早いな」


無線を握ったパーサーが、出迎えてくれた。

パーサーはやっぱり、あのまま仕事をしていたんだ……。


「では、大型犬が1匹、小型犬が4匹、猫が2匹ですね。

それにうさぎが1羽、フェレットが1匹……ケージ置き場はいっぱいになりましたよ。

え、後から小型犬追加!?」


ターミナルと連絡を取り、どうやらペットケージの調整をしているらしかった。



「わかりました。

じゃあ、フェレットには前に使っていたケージに入ってもらいましょう。

え? ああ、大丈夫。今から洗えば間に合います」


調整が終わったらしく、パーサーはまだ入り口で立ったままだった私に、こう言い放った。


「悪いが大急ぎで、ペットケージをひとつ洗って、消毒して欲しい。

勤務時間外だから、後でその埋め合わせはする。

早くしないと、もう乗船時間になってしまう!」


断る間も与えられず、そのまま階段まで連れて行かれた。

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