*短編集*



そしてポンと私の手に小突いたであろう小さな箱を乗せる。


「何…?これ」


「俺からのクリスマスプレゼント。結構迷ったけど」


「う…そ」




まさか明からもらえるとは思ってなかった。


マフラーだって私が勝手にしただけなのに。



「開けても、いい?」


「もちろん」



そうっと開いてみると、中にはネックレスが入っていた。


小さな花をモチーフにしたシルバーアクセサリー。


ところどころに小さな青い石が入ってる。





「何の花…?」


「お前の誕生日、6月28日だろ?誕生花がくちなしなんだよ。だからくちなしの花。それにくちなしの花って甘いにおいがするって言うし。早和みたいだろ?」


「へっ…////」



「それと、その青い石はラピスラズリっていって、魔除けになるとか心身と魂の浄化をするとか幸運を呼ぶとか言われてるからそれにしたんだ。お前、狙われやすいし」


「あ…りがと…。うれしい」


明を見上げて微笑む。



「…っっ。…涙目じゃん。声だって泣き声になってるし」


「しょうがないでしょ?明からもらえるなんて思ってなかったんだもん」




すると、明はクスクス笑ってポンポンと私をなでた。



「メリークリスマス。早和」


「…メリークリスマス。大事にするね」



そのまま二人で笑い合った。


お願い事は教えない。


でもね、今はとっても幸せだよ。


今ごろあのオーナメントも仲良くツリーを飾ってるのかな?




聖夜に並んだ二つの願い事は―――――………



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