*短編集*
私と和也の雰囲気が、いつもと違う事に。
昨日、私が和也から告白されたって事、咲月は知ってるのかな。
和也から聞いたりしたのかな。
そう思うけど、実際の所、私にそれを尋ねる勇気は無い。
「未来。私に…ううん。私達に、何か言う事があるんじゃないの?」
「………!!」
それは…昨日の事?それとも…
「…どうして、そう思うの?」
「んー…?幼なじみの勘…ってヤツかな?」
そう言ってにっこり微笑む咲月。
いつ見ても可愛くて、私なんか到底及ばない。
いつだって優しくて、そんな所が大好きな親友。
だれも気がつかない事に簡単に気付いてしまうの。
和也も、そうだったな…。
もしかしたら、和也は無意識のうちに私の変化を感じ取って、告白してきたのかもしれない。
「…ほら。話してごらん?」
2人が大好きで、ずっと一緒に大人になるんだって思ってた。
だけど、そんなことはありえないって事実を、目の前に突き付けられた。
目の前がぼやけていく。
咲月と和也が付き合っていればよかったのに。
…ううん。いやだ。
本当は…
―――――――
――――
ほう…っと白い息を吐き出す。
空に昇っていくそれを、立ち止まってじっと眺めていた。
「…未来?」
後ろから声が聞こえて、振り返る。
声の主は和也だった。
「…和也。どうしたの?」
「いや、それはこっちのセリフなんだけど。こんな時間になんで外にいんの?」