*短編集*
2人できゃーきゃー言いながら騒いでいると、ポスっと頭に何かが乗った。
「へっ…?」
「未来」
「和也…」
「ちゃんと毎日メールか電話しろよ?何かあったら遠慮せずに相談すること!」
「はーいっ」
相変わらずの過保護にくすっと笑って返事をする。
ちゃんと向きあって見上げると、和也がちょっと目をそらした。
「それから…その」
「ん?」
「俺は、未来の事がずっと好きだから。何があっても、何年たっても。だから…不安になんて
なるな」
「………うん。私も、大好き」
赤くなって言ってくれた言葉が嬉しくて、私も微笑みながら返す。
「…まったく。やっとくっついたと思ったらすっごいラブラブじゃない。なんか心配して損したかも」
「やっとって…」
「だって、ずっと前から私は知ってたもん。2人の気持ち」
「え、うそ」
「本当だよ」
くすくす笑ってる咲月に、声が出ない。
「未来ー。もう出発するわよー」
「あ、はーい」
お母さんが家の前で叫んでる。
「…もう行かなきゃ」
「うん。…私は、ずっと未来の親友だからね!ずっと2人の事、応援してる。大丈夫よ。和也が浮気しないようにちゃんと見張ってるから!」
「ふふっ…ありがとう」
咲月が笑ってそう言ってくれるから、大丈夫。
きっと、大丈夫。
「和也」
「ん?」
「ずっとずっと…大好きだよ?」
「…うん。俺も」
その答えを聞いて、微笑んだ後、ちょっと背伸びをする。
私と和也の距離が縮まって…。
「……っ!!」
「じゃ、行くね。和也!浮気なんかしたら私泣くからね!!」
「…ん。わかった」