花嫁と咎人
その後再び私達は買い物を始めて、丁度午後2時あたり。
見張りを続けていたオズと合流し、再び西へと向かうべく…中央都市“アリエスタ”を後にした。
その数時間後、オーウェン率いる王国騎士団が都市の入り口を全封鎖し、私達を捜していた事も知らずに…。
そして、何度目かの夜を迎えた。
今日は途中に立ち寄った小さな村で一夜を過ごす事に。
民宿に泊まった私達は、金銭の関係上一部屋しか用意できなかったけれど…久しぶりのまともな寝床に満足していた。
「うっわー、ベッド一個しかないよ。」
が、まさかのそんな状況。
「俺は床でいい。」
しかし寝れればいいだろと言わんばかりに大きなあくびをするハイネ。
オズもまた、床で良いと言い始める始末。
「だっ、駄目よ!私も床で寝るわ!」
勿論私も彼らに倣うが、「ここはレディーファーストって事で。」とオズに言われてしまう。
そして追い討ちをかけるように、
「一緒に床で寝たら、オレ、フランちゃん襲っちゃうかも。」
とウインクを投げられ。
「じゃあベッドで。」
と即答。
それから始めにハイネがシャワーを浴びに行き、私とオズは部屋で待つことに。
オズはハイネに何度も念を押されて、ブツブツ言いながらも私から1メートル離れる。
どうやら私に手を出すなという事らしい。