花嫁と咎人

何度も頭の中で何度も頷き、もう一度唾を飲んで覚悟を決める。

そして。

えいっ!

思い切ってバスルームの扉を少し開けた。

すると、


「わ、」


腰にタオルを巻いただけのハイネがそこにいて。


「…何やってんの。」


目が合った瞬間、燃え上がるように熱くなる顔。


「ちちち、ち、違うの…!ろ、ろっ…廊下にかかかかカツラがッ!」


「…は?」


「だ、だから…下心とか、そそそそそういうのではっないの!」


そして私は一目散にカツラを投げると、


「ごっ…!ごめんなさい…ッ!」



逃げた。



それから走って部屋に飛び込むなり、驚いて私を見ているオズの肩を掴むと…


「私、私…見てしまったわ…!」


何度もぶんぶん揺さぶって両手の中に顔を埋める。


「え?何、何が起こったの?見たって…何、裸?」


慌ててそう問われて…何度も頷く。


「マジ?下?」


でも、それは違う!
思い切りオズを突き飛ばすと、私は顔を真っ赤にして叫んだ。


「見てないわよ!オズの、破廉恥っ!」



< 133 / 530 >

この作品をシェア

pagetop