花嫁と咎人
「はっ…破廉恥!?なんで!?」
叫ぶオズをよそに、私は部屋の隅に行ってしゃがみこんだ。
嗚呼、見てしまったわ、見てしまったわ…!
何度も火照った顔を振る。
でも…久しぶりにハイネの銀髪を見た。
本当に綺麗で、長くて…。
―はっ!
駄目よ、何を思い出しているの私…!
でもどうしてこんなにも胸が苦しいのかしら…?
慌てて耳を引っ張る。
すると、
「何で耳引っ張ってんの…?…おまじない?」
後ろからオズの声が飛んできて。
「そう、おまじない!こうすると、胸が苦しいのが治まるの。…心が楽になるのよ。」
「へぇー。」
そう言って再び沈黙が訪れる。
そして…
「…次、どっちが先?」
元凶のハイネが戻ってきた。
途端に私は「私が次よ!」と言って、部屋を飛び出す。
嗚呼、どうしよう。
ハイネの顔が見れないわ…!
どうしよう…!