花嫁と咎人
「……畜生。」
すると突然、女が俺達に白い布を渡した。
頭からスッポリと被る事のできるそれは、この町の民と同じ物で。
「着ろ。その格好のままじゃ目立つ。」
そして再び歩いて行ってしまう女。
どうやら仕草的に、着いて来いといっているらしい。
「……?」
オズと目を合わせ首を傾げる俺。
どうすればいいか、一瞬悩む。
だが、このままじゃどうする事もできない。
とりあえず俺達は白い服を被るように着て、彼女の後を付いていった。
―そして案内されたのは、住宅密集地から少し離れた場所にあった白く四角い家。
中に入ると、青いタイルが張り巡らされていてとても涼しかった。
まるで外の温度が嘘のようだ。
中央には適度な大きさの机、6つの椅子が置いてあり、壁に並べられた大きな5個の甕には、水がたんまりと入っていた。
どうやら奥にも部屋があるらしい。
「適当に座って。」
そう女に言われて俺達はおどおどしながらも椅子に腰掛ける。
どうやらここは女の家のようだ。
質素だが、それなりの生活用品はそろっている。
ようやく泣き止んだフランを落ち着かせ、暫く無言で待つ事数分。
女は水の入ったコップを3つ持って、再び戻ってきた。