花嫁と咎人
尋常じゃないくらい気持ちの悪いオズを蹴飛ばしながら、唸る俺。
…今は出られない。
じゃあいつここを出たら良い?
「でも、私達…あまり長居は出来ないの。早く4番街に行かないと王国騎士団が…あっ、」
その刹那、俺もオズもフランを見た。
こいつ…!
当のフランは「言ってしまった」と言わんばかりに慌てて口を塞ぐが、既に時は遅し。
「は?え…あんた等何?王国騎士団に追われてんの…?」
そういうジィンの顔はみるみる引きつって。
「…あんた等、何者?」
彼女は首を傾げる。
「……、」
俺は腹を括った。
一か八か、全て話してみよう。
それでもし相手が俺達を売るような素振りを見せたら、その時は…殺す。
仕方が無い。
こうなってしまった以上―…。
そして俺はジィンに全てを話した。
「あ、へー。」
だが、反応は大したこと無くて。
「何も、思わないの…?」
フランが心配そうに言うが、彼女は笑い飛ばした。
「んなのどうしようも無いじゃん!あたしがあんた等を売るにしろ、まずこの町出た瞬間にアウトだし。だからってそうしようとも思わないよ。あたしはそんな卑劣な奴じゃない。今まで正義だけを信じてやってきたんだ。」
そしてパチッとウインクをすると、