花嫁と咎人
「何やってんだよ、食べないの?」
作った張本人のジィンはそう言うけれど…はっきり言ってこれは駄目だと思う。
あのハイネも額に手をあてて、蛇の開きのような物を凝視している程だ。
…でも、食べなきゃ失礼だわ…!
そう思ってその蛇の開きのような物を手にしたとき―。
「ちょっとお姉ちゃん…!やだ、その食べ物何!?」
妹のアーニャが現れた。
「ん?何って、毒無しコブラの塩焼きライス乗せ。」
…コ、コブラの…塩焼き…!
どうりで…!
「何やってるのよ!そんなの食べ物じゃないわ!嗚呼、貴重なお米と食材だったのに…!もう、貸して!」
そして瞬く間に全員分のお皿が撤去され、再びアーニャが料理を始める。
「何いってんだよアーニャ、これはれっきとした料理だって!ほら、皆も美味しそうに食べてたじゃないか!」
サッ。
ジィンがこっちを見たが、誰も目を合わさなかった。
むしろアーニャという存在に感謝しきれないくらいだ。
「………おうい。」
ごっ、ごめんなさいジィン…!
そして暫くして、ジィンの料理はアーニャの手によって美しく生まれ変わった。
「か、輝いてるぜ…!」
その料理の数々に、感嘆の声を上げるオズ。
あの蛇丸出しだったコブラはぶつ切りにされて、綺麗に揚げられ…ご飯は綺麗な緑色に輝いている。
「ロクって言う緑色のスパイスで炒めてあるの。」