花嫁と咎人
「凄い綺麗なスパイスだわ。」
食欲も自然とそそられる。
「ちぇ、んだよ皆して…、アタシの料理…そんなにゲテモノだったかよ。」
一方ジィンは少し拗ねてるようだったが。
それから無事、料理をご馳走になった私達は部屋の中で自由にくつろぐ事に。
でも私はジィンに誘われて、家の屋上に来ていた。
「な、綺麗だろ?」
そこからの景色はとても美しくて。
白い家が遥か向こうまで続き…白い服を着た人たちが沢山歩いている。
「物騒だけどさ、ちゃんといい所もあるんだ。」
そういうジィンの横顔はとても誇らしげで…
「そうね。」
私の表情も自然と綻ぶ。
そして丁度日陰になっている所に座った時、彼女は私を見た。
「そういえば、フランの方が年上だったよな。」
ジィンは17歳で、私が18歳だから…確かにそう。
「でも、そんなの全然気にしないわ。他の女の子と比べたら私なんかまだまだ子どもだもの。」
「そんな事ないさ。フランは凄いよ。アタシと殆ど変わらない歳なのに、この国を動かす女王様だなんて…凄い。」
アタシだったら絶対無理だなーと頭の後ろに手を回すジィン。
でも…そんなこと無いのに。
私は少しだけ切なくなる。
「…私は駄目な女王だったわ。生まれて18年間一度も城から出た事がなかったの。可笑しいでしょう?そんな世間知らずの女王様が国を統べるだなんて。…自分で思っても…笑ってしまう。」
涼しい風が、吹き抜ける。