花嫁と咎人

「それは…ﾌﾗﾝが恋してるからさ。」


「……恋…？」


「そう、恋。ﾌﾗﾝはその人が好きで好きで仕方ないんだよ。もう重症だね。」


刹那、心臓がドキドキしてきた。
ああ…どうしよう。

意図せず浮かんでくる、ある人の顔。

うう、どうして。


「…この気持ちが、恋…。私、自分でも気がつかない内に、恋をしていたのね…。」


頬が熱くなり、自然と顔が下に向いてしまう。
ようやく分かった。

この気持ちの原因、この感覚の原因。

すべてはあの人に、恋をしていたから。


「って言う事は…もしやあの二人のどっちか？」


すると、ｼﾞｨﾝがニヤニヤしながら私に問い詰めてきて。
真っ赤な顔がもっと真っ赤になる。


「わ、わわわわわっ」


今に頭から煙がでそう！
は、恥ずかしいわ…！


「ま、何であれ、今度は気持ちを伝えなきゃね。」


「え、きっ気持ち…？」


「そう。私、あなたの事が好きっ！…って言うんだよ。」


「わ、私…っ、そんな事言えないわ…！」


「おまっ…言わなきゃ始まらねぇだろ…！」


そしてグリグリと私の頭を小突くｼﾞｨﾝ。

でも、何でかとても楽しかった。
ほぼ同年代の女の子と話すのが初めてだからだろうか。