花嫁と咎人
「とりあえず言ってみろって。大丈夫だよ!アタシが保証してやる!…それに、もし何か酷いこと言われたらボコボコに殴ってやるから!」
な、殴っちゃ駄目よジィン…!
そんな事を思いながら私達は立ち上がる。
すると突然ジィンが南西の方角に視線を向け、静かに指を差した。
彼女の指の先に視線を移せば、見えたのは遠くにある洞窟の入り口。
「あれが、“審判の洞窟”。何でかあの洞窟だけ砂に埋まらないんだ。」
確かに、その洞窟だけ異様な雰囲気を放っていた。
「昔からみたいなんだけど、何もやってないんだって。」
変だろ?
と言って笑うジィン。
「そうね。」
そして私達は屋上を後にした。
◇ ◆ ◇
昼食の後、俺達は空き部屋に案内され…暫く休養を取っていた訳だが。
「…何やってんだアンタ。」
ふと起きると、オズが両耳を引っ張って何かをやっていた。
「これ?あーなんかフランちゃんがやってたおまじない。何でも胸が苦しいのが治るとか何とか…。オレ、今絶賛胸焼け中だから実践してるわけ。」
するとそういいながら何度も耳を引っ張るオズ。
…胸が苦しい?
そういえば中央都市アリエスタにいた時もなんかやってたな…。
何かつっかえてたのか?
とか思いながら俺はひとまず部屋を出た。
すると、向こうから歩いてきた誰かとぶつかる。